前回の記事では「エンベロープ逆張りEA(daedalus-k)」のストキャスティクスを用いたエントリー制御についてお話ししました。
今回の記事では、移動平均線を利用したエントリー制御についてお話します。
「daedalus-k」の基本動作は、エンベロープにタッチした時に逆張りでエントリーします。しかし、これだけでは問題点が多いため、エントリー制御が必要であることを過去の記事でお話ししました。具体的には、価格がエンベロープにタッチした後、価格がエンベロープラインに寄り沿い始め、じりじりと上昇(下落)する場合です。(じり上げ(下げ)のパターンは、こちらの記事で図を用いて説明しましたので、良かったらご参照ください。)
そこで1つめの制御として、ストキャスティクスのフィルターを実装しました。実際EAを動作させていると分かりますが、エンベロープラインにじりじりと寄り添う時間が長いと、ストキャスティクス制御だけでは、無駄なエントリーを除外することができません。
そこで2つ目の制御として移動平均線を利用します。
移動平均線によるエントリー制御
移動平均線は相場環境を把握する指標として最も優れています。なぜなら、価格が移動平均線からどのくらい離れた位置にいるかを見ることで、相場の過熱具合を判断できるからです。
そして、価格は移動平均線の上もしくは下にいても必ず移動平均線に戻ってきます。移動平均線にタッチした後、また上下に動いていくという動作を繰り返します。この「価格が上下した後必ず移動平均線に戻る」という性質をエントリー制御として利用します。
移動平均線エントリー制御条件
EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る。価格が移動平均線にタッチしたら、エントリー可能な状態となる。
実際の動作をチャート図を用いて見てみましょう。
(i)ストキャスティクス制御のみ
(ii)ストキャスティクス制御+移動平均線制御
(ii)が移動平均線のフィルターを実装したEAになります。(i)では連続エントリーして負けていますが、(ii)では、(i)で2回目にエントリーしたポイントを見送っています。
これは、移動平均線エントリー制御条件(EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る)が発動しているためです。
(ii)の場合、価格が移動平均線にタッチする(ii)チャート図赤丸のポイントまでは、エントリーしません。赤丸ポイント通過後は、再びエントリー可能な状態に戻ります。
このように、無駄なエントリーを避け、有効なポイントのみでエントリーすることが可能となりました。
それでは、移動平均線のエントリー制御を実装した際の損益曲線はどう変化していくかを、次回の記事で見ていきましょう。