4本移動平均線EAについて

私が開発運用しているEAの1つに、4本の移動平均線を使用したEAがあります。今回の記事では4本移動平均線EAについてご説明したいと思います。

移動平均線を使用したトレード手法は数多くあり、代表的なのが3本の移動平均線を使用した取引手法ではないでしょうか。ゴールデンクロス、デッドクロスなどは有名です。

私の開発したEAは4本の移動平均線を使用します。具体的な取引手法については後述しますので、まずは使用する4本の移動平均線の中身についてお話します。

EAに使用する4本移動平均線

移動平均線にはいくつか種類がありますが、4本移動平均線EAでは指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average)を使用します。指数平滑移動平均線は、過去の価格よりも直近の価格を重視するので、価格の動きに対する感度が高くなります。5日指数平滑移動平均線を例にすると、5日の価格を2倍にして合計してから5で割ったものになります。

移動平均線は期間を設定することができますが、4本移動平均線EAは、(i)短期(ii)中期(iii)長期(iv)超長期の4つの期間を使用します。具体的な期間については、取引通貨毎に異なるためここには記載しませんが、今後の記事でお伝えしていきたいと思います。

4本移動平均線EAの取引ロジック

4本移動平均線EAの取引ロジックはシンプルでありながら、優位性のあるポイントでのエントリーを的確に捉えた手法です。まずは5分足のチャートに4本の移動平均線のインディケーターをセットしてみましょう。

チャートに4本の移動平均線が表示されているのが確認できます。移動平均線の期間毎に線の色を変えています。黄色:短期移動平均線、青色:中期移動平均線、赤色:長期移動平均線、紫色:超長期移動平均線となっています。4本移動平均線EAは指定した条件をクリアした時に、①短期移動平均線、②中期移動平均線、③長期移動平均線の3つのポイントでエントリーをします。

<エントリー判断ポイント1>

チャート図を見てお分かりの通り、移動平均線から価格が離れていくと各移動平均線の距離も遠ざかり、移動平均線の乖離幅が大きくなっています。この各移動平均線の乖離幅の大きさがエントリーの判断ポイントの1つ目になります。

<エントリー判断ポイント2>

エントリー判断ポイントの2つ目は移動平均線の並び順です。

価格が下落し始め、下降トレンドに向かうと、移動平均線期間の小さい順に価格の動きに反応し始め、上から、長期移動平均線、中期移動平均線、短期移動平均線と綺麗に並び始めます。EAがエントリーをするかしないかを判断するのは、移動平均線の乖離幅がある一定以上あり、かつ移動平均線の並び順が条件どおり揃った時に始めてエントリーします。

簡単な概要は以上です。細かいロジックについて解説します。

4本移動平均線EAはその名の通り4本の移動平均線のみを使用したシンプルな手法です。4本の移動平均線は、(1)短期移動平均線、(2)中期移動平均線、(3)長期移動平均線、(4)超長期移動平均線を使用しています。4本の移動平均線をチャートにセットすると下記図のようになります。

(黄色線:短期移動平均線、青色線:中期移動平均線、赤色線:長期移動平均線、紫色線:超長期移動平均線)

上記チャート図はEURUSDの5分足のチャートですが、大陰線により下降トレンドを形成し始めています。移動平均線は相場の状況が上昇トレンドなのか下降トレンドなのかを瞬時に判断する指標として役立ちます。

この時重要なことは、相場の大前提として価格はトレンドの方向にただ進むのではなく、必ず押し戻しをつけて進んでいくということです。相場は価格の押し戻しにより波がいくつも作られて形成されていきます。この押し戻しのポイントを的確に捉えることができるのが4本移動平均線EAの最大の特徴です。4本移動平均線EAは相場の押し戻しの特徴を考慮し、次の3つのポイントでエントリーします。

(1)短期移動平均線(黄色線)

(2)中期移動平均線(青色線)

(3)長期移動平均線(赤色線)

下降トレンドの場合

移動平均線の並び順が上から、超長期移動平均線(紫)→長期移動平均線(赤)→中期移動平均線(青)→短期移動平均線(黄)になっている場合は下降トレンドと判断することができます。

下降トレンド時の実際にEAがエントリーするポイントを赤丸でチャートに表示しました。

2つの赤丸を確認することができます。2つの赤丸の状況は以下のとおりです。

赤丸①:価格が短期移動平均線に触れた時に売りでエントリー

赤丸②:価格が中期移動平均線に触れた時に売りでエントリー

エントリーの特徴としては、移動平均線の並び順から下降トレンドが形成されていると判断される場合には、価格が下落していく流れの中で、必ず戻りをつけて下落していきます。この戻りポイントを狙ってエントリーします。チャートを見てお分かりのとおり、短期移動平均線、中期移動平均線で価格が反応し、戻りをつけて下落しているのが分かります。この下落幅を利益に変えていきます。

上昇トレンドの場合

移動平均線の並び順が上から、短期移動平均線(黄)→中期移動平均線(青)→長期移動平均線(赤)→超長期移動平均線(紫)の場合は上昇トレンドと判断することができます。

3つの赤丸を確認することができます。3つの赤丸の状況は以下のとおりです。

赤丸①:価格が短期移動平均線(黄)に触れた時に買いでエントリー

赤丸②:価格が中期移動平均線(青)に触れた時に買いでエントリー

赤丸③:価格が長期移動平均線(赤)に触れた時に買いでエントリー

上昇トレンドも下降トレンド時と同様、押し目を狙ったエントリーとなります。価格が各移動平均線に触れて反応しているのが分かります。この上昇幅を利益に変えていきます。

今回の記事では各移動平均線において下降トレンドの時は売りエントリー、上昇トレンドの時は買いエントリーをすることをお伝えしました。

エントリーにおいて重要なことは、移動平均線に触れたからと言ってなんでもかんでもエントリーするわけでなく、ある3つの条件をクリアした時に各移動平均線でエントリーをするということです。3つのエントリー制御条件については次回の記事でご説明したいと思います。

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