以前当ブログにて、フィボナッチリトレースメントを使用したEAについてご紹介しました。
今回の記事からはフィボナッチの拡張版【トリボナッチ】を使用したEA(
フィボナッチとは
フィボナッチの拡張版である、トリボナッチ。フィボナッチはとても有名ですが、トリボナッチを知っている方はそれほど多くないと思われます。トリボナッチを知るには、フィボナッチを理解する必要があります。
フィボナッチとは13世紀にイタリアの数学者、「レオナルド・フィボナッチ」が考え出した数です。フィボナッチ数を具体的に列挙すると「1,1,2,3,5,8,13,21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987,…」となります。この数字はあるルールに基づいて(数列)算出された数字です。
フィボナッチ数列とは、「初項と第2項の数を1と定めて、前の2つの項の和を並べた数列」になります。
この数列から算出された数字を使い導き出されたのが、フィボナッチリトレースメントを引いた時に表示されるフィボナッチ比率(①23.6%②38.2%③61.8%④161.8%⑤261.8%)となります。
フィボナッチ比率(①23.6%②38.2%③61.8%④161.8%⑤261.8%)はフィボナッチリトレースメントを使用すると自動的に表示されますが、この数字はどのように算出されているのでしょうか。
フィボナッチ比率の算出
フィボナッチリトレースメントを使用した際に表示される主要なラインは、価格が反発するラインとして多くの方が注目しています。良く注目されるのが、①23.6%②38.2%③61.8%です。それでは、①~③がフィボナッチ数からどのように算出されているかを調べます。
フィボナッチ数を具体的に列挙すると「1,1,2,3,5,8,13,21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987,…」となります。フィボナッチ数から連続した4つの数字を取り出し、一番小さい数字から順にa,b,c,dとします。この4つの数字を使うことでフィボナッチ比率を算出することができます。
①23.6%:a / d
②38.2%:a / c
③61.8%:a / b
フィボナッチ数から連続した4つの数字を取り出して計算してみます。
(a) 144 (b) 233 (c) 377 (d) 610
①23.6%:144 / 610 = 0.23606…
②38.2%:144 / 377 = 0.38196…
③61.8%:144 / 233 = 0.61802…
④78.6%:0.618の平方根
フィボナッチ比率に近い数字を求める事ができました。連続する4つの数字の値が大きければ大きいほど、フィボナッチ比率に収束していきます。
また、フィボナッチ比率でよく見かける、78.6%という値は、0.618の平方根であるため、多少フィボナッチ上の意味があります。
トリボナッチ比率の算出
それでは、トリボナッチ比率を算出してみましょう。
トリボナッチ数列とは、「初項と第2項の数を1と定めて、前の3つの項の和を並べた数列」になります。トリボナッチ数を具体的に列挙すると「 1, 1, 2, 4, 7, 13, 24, 44, 81, 149, 274, 504, 927, 1705, 3136, 5768, 10609, 19513, 35890, 66012…」となります。
トリボナッチ数から連続した4つの数字を取り出し、一番小さい数字から順にa,b,c,dとします。この4つの数字を使うことでトリボナッチ比率を算出することができます。
①16.0%:a / d
②29.5%:a / c
③54.3%:a / b
フィボナッチ数から連続した4つの数字を取り出して計算してみます。
(a) 927 (b) 1705 (c) 3136 (d) 5768
①16.0%:927 / 5768 = 0.16071…
②29.5%:927 / 3136 = 0.29559…
③54.3%:927 / 1705 = 0.54369…
④73.6%:0.543の平方根
トリボナッチ比率を求める事ができました。このトリボナッチ比率を使用して、トリボナッチリトレースメントをチャートに描画してます。
面白いことに、トリボナッチ比率ラインでも価格が反応していることに気づきます。トリボナッチリトレースメントを自動描画させ、ビジュアルモードで確認してもトリボナッチライン上で価格が反応していることが分かります。
次回の記事ではトリボナッチリトレースメントに売買機能を追加してトレードをした時、損益はどうなるかについてご紹介したいと思います。
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