エンベロープ逆張りEA(損益曲線について)

前回の記事では「エンベロープ逆張りEA」のインジケーターを用いたエントリー制御について解説しました。実際に移動平均線をフィルターとして実装したEAの損益曲線を見てみましょう。条件は以下の通りです。

エントリー条件

  • 通貨:EURUSD
  • 時間足:1分足
  • ヒストリカルデータ提供元:デューカスコピー・ジャパン
  • エンベロープ:偏差(0.1),期間(20)
  • スプレッド:10(1pips)
  • Lot:0.1
  • 期間:2017年11月01日~2018年11月20日
  • ストキャスティクス:20%以下で買い条件成立,80%以上で売り条件成立
  • 移動平均線:EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る。価格が移動平均線にタッチしたら、エントリー可能な状態となる。

赤字で書いた部分が、新たに追加したフィルターになります。成績は下記の通りです。

プロフィットファクタ:1.62 ドローダウン:0.34% 取引回数:574回

期間は1年間と短いですが、ストキャスティクス制御のEAより成績は良くなっています。

取引回数も年間500回以上あるため、EAの信頼度も高くなります。

バックテスト期間をもう少し長めにとって、5年間でテストしてしてみましょう。

  • 期間:2013年11月01日~2018年11月20日

プロフィットファクタ:1.54 ドローダウン:1.6% 取引回数:4544回

1万通貨固定取引で、5年間で247,871円の利益となっています。

ここからさらにカスタマイズをしていきます。現在のトレードルールを簡単にまとめると下記のとおりです。

カスタマイズ後のエントリー条件

  • 通貨:EURUSD
  • 時間足:1分足
  • エンベロープ:偏差(0.1),期間(20)
  • スプレッド:10(1pips)
  • ストキャスティクス:20%以下で買い条件成立,80%以上で売り条件成立
  • 移動平均線:EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る。価格が移動平均線にタッチしたら、エントリー可能な状態となる。

それでは、あと少し細かい制御条件についてお話します。

売りエントリーの場合を例に条件を書きます。(買いエントリーは逆の条件)

売りエントリー条件

エンベロープにタッチした瞬間にエントリーするのではなく、エンベロープラインを下から上に数pips突き抜け、そこからエンベロープラインを上から下に突き抜けた瞬間にエントリーする。

以下に図を用いて説明します。

この制御を組み込むことでさらに優位性の高いポイントでエントリーをすることができます。エンベロープにタッチした瞬間すぐにエントリーすると、価格が突き抜けてく場合、すぐ損切られてしまいます。そこで、価格がエンベロープラインを数pips突き抜けた後に反発し、もう一度エンベロープラインを上から下に突き抜けたところでエントリーすることで、反発の流れに沿う形になるため、勝率もグンと高くなります。

以上がエンベロープ逆張りEAの主なエントリー制御になります。今はエンベロープラインが偏差0.1%のみですが、今後エンベロープラインが増えていった時(移動平均線の乖離がさらに高いポイント)に新たな制御フィルターを実装します。

新エントリー条件

  • 通貨:EURUSD
  • 時間足:1分足
  • エンベロープ:偏差(0.1),期間(20)
  • 期間:2017年11月01日~2018年11月20日
  • ストキャスティクス:20%以下で買い条件成立,80%以上で売り条件成立
  • 移動平均線:EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る。価格が移動平均線にタッチしたら、エントリー可能な状態となる。
  • エンベロープラインを下から上に数pips突き抜け、そこからエンベロープラインを上から下に突き抜けた瞬間にエントリーする。

エントリー条件が整ったのでEAの利益確定、損益確定に解説します。

利益確定pips

エントリーしてからの利益確定目安pipsは1.5pipsです。ただし、1.5pips利益が出たからといってすぐに利益確定するわけではありません。

エンベロープ逆張りEAはトレイリングストップ機能を実装しています。

1.5pips利益が乗った段階で、幅0.5pipsの間隔を空けながら利益を追います。

幅を空けないと微益で終わることが多いですが、この0.5pipsという狭い間隔を空けながらトレイリングすることで、時に数十pipsの利益を得られることもあります。

損切りpips

損切りpipsはエントリーポイントから3pips逆行した位置です。

利益確定pipsと同じ1.5pipsにしない理由は、損切りに合う確率が高いためです。エンベロープ偏差0.1%付近に価格が近づいてくると、値動きが荒くなったり、スプレッドが拡大することがあります。1.5pipsだとそういったノイズの動きに引っ掛かかってしまいます。

下記チャート図は上記条件でエントリーした時の状況です。

図の赤右矢印がエントリーポイント、赤右矢印の3pips上が損切りポイントになります。

価格はエンベロープラインを下から上に突き抜け3~4pips上昇した後に、再度エンベロープラインを上から下に突き抜けています。その動きがローソク足の上髭となって現れています。 エンベロープラインを上から下に突き抜けた瞬間にエントリーをし、1.5pips利益が乗った後後に幅0.5pipsでトレイリングストップが作動しています。(赤い点線)

エンベロープ逆張りEAのトレードルールが定まってきました。私の運用しているEAはエンベロープを8つ(上下合わせて16本)を使用しています。エンベロープ偏差0.1%は移動平均線との距離が一番近い階層(level1)になります。次回の記事ではエンベロープラインを8つ使用した時の動作を見ていきたいと思います。

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