エンベロープ逆張りEA(稼働時間帯制御)

今回の記事ではエンベロープ逆張りEAの応用編として「EA稼働時間帯制御」について解説します。これまでお話をしてきたエンベロープ逆張りEAのエンベロープレベルライン1(移動平均線からの距離が一番近いエンベロープ)は最低でも偏差0.1%でした。

1分足での取引では偏差0.1%だと1日の内エントリーチャンスは日によっては数回程しかありません。だからといって偏差0.1%未満で取引をしようとするとエントリーチャンスは多いものの、優位性のないポイントでエントリーする回数が多くなり、結果的には負けてしまいます。

しかし、取引する時間帯に注意さえすれば、偏差0.1%未満でも勝つことが可能です。今回の記事ではEURJPYを例にお話しします。

1日は大きく3つの時間帯に分けることができます。

(1)アジア時間

時間帯:8:00~14:00

(2)欧州時間

時間帯:14:00~21:00

(3)ニューヨーク時間

時間帯:8:00~14:00

通貨によって上記時間帯で、価格のボラティリティーが変わってきます。EURJPYはユーロ圏のため、日本時間の14:00~21:00の間に価格が活発に動きます。逆に言えばその時間帯以外は比較的緩やかな動きをしているため、エンベロープ逆張りEAのレベルラインの偏差を下げた取引をすることも可能になります。むしろ相場の時間帯に合ったEAを使用することで、1日無駄なく取引をすることができ、利益を拡大するチャンスに繋がります。

そこで、エンベロープ偏差0.1%未満を使用するEAに稼働時間帯制御フィルターを実装させます。取引時間帯を絞り込むことで、絞らなかった場合と比べ利益がどのように変化するかを見てみましょう。

エントリー条件

  • 通貨:EURJPY
  • 時間足:1分足
  • ヒストリカルデータ提供元:デューカスコピー・ジャパン
  • エンベロープ:偏差(レベル1:0.06,レベル2:0.08),期間(20)
  • スプレッド:10(1pips)
  • エンベロープ2つ
  • 期間:2013年11月01日~2018年11月20日
  • ストキャスティクス:20%以下で買い条件成立,80%以上で売り条件成立
  • 移動平均線:EAエントリー後、価格が移動平均線にタッチするまでは次のエントリーを見送る。価格が移動平均線にタッチしたら、エントリー可能な状態となる。
  • エンベロープラインを下から上に数pips突き抜け、そこからエンベロープラインを上から下に突き抜けた瞬間にエントリーする。(※売りエントリーの場合[買いエントリーは逆の条件])

稼働時間帯制御フィルターなし

プロフィットファクタ:1.08 ドローダウン:5.65% 取引回数:5050回

EA稼働時間帯制御フィルターがない場合、どの時間帯でもエントリーするため取引回数は5年間で5000回を超えています。優位性のないポイントでエントリーもしているため、成績はあまり良くありません。過去5年間のテスト結果から、1日の内の時間帯ごとの損益を確認します。

1日の時間帯毎の損益を見てみると、10~13,16時(MT4時間表示)の取引で通算マイナスになっていることが分かります。日本時間に直すと、17~20,23時になります。この時間帯は価格のボラティリテーが大きくなる確率が高いため、エンベロープの偏差の低いEAでは、負けてしまう確率が高いです。

そこで、上記時間帯を除外して稼働した場合を見てみましょう。

EA稼働時間帯制御フィルターあり

プロフィットファクタ:1.31 ドローダウン:1.82% 取引回数:3349回

EURJPYのボラティリティーが高くなる時間帯を除外しているのがグラフから分かります。今回の記事では、EA稼働時間帯制御について解説しました。稼働時間を制御することで、優位性のある時間帯でのみエントリーすることができます。

EA稼働時間帯制御フィルターは利便性が高く、今回お伝えした使い方以外にも、(1)「雇用統計の時間帯にエントリーをしない」(2)「ポジションを持ち越さないために週末にエントリーしない」といった条件にも適用することができます。

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